じんま疹
じんま疹とは
皮膚の肥満細胞から分泌される、さまざまなケミカルメディエーター(ヒスタミンなど)が毛細血管の透過性が亢進し、皮膚に浮腫が起こり、膨疹(蚊に刺されたような発疹)が全身にできる疾患です。
数日~2週間程度で治癒する急性蕁麻疹、1か月以上症状を繰り返す慢性蕁麻疹にわかれます。
原因・悪化因子
1)直接的誘因(主として外因性、一過性)
- 外来抗原
- 物理的刺激
- 発汗刺激
- 食物
食物抗原、食品中のヒスタミン、仮性アレルゲン(豚肉、タケノコ、もち、香辛料など)、食品添加物(防腐剤、人工色素)、サリチル酸 - 薬剤
抗原、造影剤、NSAIDs、防腐剤、コハク酸エステル、バンコマイシン(レッドマン症候群)等 - 運動
2)背景因子(主として内因性、持続性)
- 感作(特異的IgE)
- 感染
- 疲労・ストレス
- 食物
抗原以外の上記成分 - 薬剤
アスピリン、その他のNSAIDs(食物依存性運動誘発アナフィラキシー)、アンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬(血管性浮腫)等 - IgE または高親和性IgE 受容体に対する自己抗体
- 基礎疾患
膠原病および類縁疾患(SLE、シェーグレン症候群等)、造血系疾患、遺伝的欠損等(血清C1-INH 活性が低下)血清病、その他の内臓病変等、日内変動(特発性の蕁麻疹は夕方~夜にかけて悪化しやすい)
診断
病型の確定と原因の探索が重要です。
個々の患者様の症状にあわせて必要な検査を立案します。
検査
- アレルギー検査は即時型のIgE抗体を検査します。
- IgG食物アレルギー検査により、従来の血液検査では見いだせなかった食物アレルギーを発見し、アトピー性皮膚炎の増悪因子を取り除くことでコントロールしやすくします。
治療
- 原因・悪化因子の除去が重要です。
- 薬物療法の基本は抗アレルギー薬内服になります。重症例では、ステロイド短期内服や注射を行うこともあります。
- その他、病型によっては漢方薬、ジアフェニルスルホン内服、抗ロイコトリエン内服が奏功する場合があります。当院では、ノイロトロピン注やレセルピン療法も取り入れております。
当院でのじんま疹治療の特徴
- 原因・悪化因子の検索
- 基本治療から補助療法まで幅広い治療法の選択
- 副作用の少ない漢方療法、ノイロトロピン注、レセルピン療法