リフィル処方とは?メリット、デメリットについて
こんにちは。
いつも当院をご利用いただき、ありがとうございます。
2021年末頃に2022年から日本においても4月からリフィル処方箋が導入されるというニュースが報道されました。
そのことから当院では4月からリフィル処方箋の導入することにしました。
今回はそのリフィル処方箋についてお伝えしたいと思います。
リフィル処方箋とは?
リフィルとは「補給・詰め替え品・2杯目」という意味の英語で
リフィル処方箋とは一定の定められた期間内に反復使用できる処方箋になります。
今までの通常の処方箋は医師が決めた日数分の薬を有効期限の原則4日間内で一度だけ貰えるものでしたが、リフィル処方箋では患者の病状などを踏まえ、個別で医学的に適切と判断した期間と薬剤量を医師が決め、定められた一定期間内と使用回数上限の3回までなら、同じ処方箋で医師の診察なしでも繰り返し薬を貰うことができます。
リフィル処方箋の有効期間は、1回目は従来の処方箋と同様、「交付の日を含めて4日以内」。2・3回目の受取期間は、調剤予定日の前後7日以内になります。
日本では導入が決定したばかりですが、アメリカ、フランス、イギリス、オーストラリアなど海外では多くの国が既に導入しており、主に症状が安定している慢性疾患が主な対象となっているようです。
リフィル処方箋と分割処方の違いは?
リフィル処方箋と似たような仕組みとして「分割調剤」が2016年頃から日本で導入されています。
同じ処方箋を繰り返し使用できるリフィル処方箋に対して、分割調剤は定められた処方期間を分割する仕組みになります。
内容としましては①長期保存が難しい薬剤 ②後発医薬品を初めて使用する場合 ③医師による指示がある場合、などに行われるもので、分割回数の上限は3回までとなっており慢性疾患などの薬のみの診療で抑制することを狙いとしたリフィル処方箋とは趣旨が大きく異なります。
リフィル処方箋のメリットとデメリットは?
リフィル処方箋のメリット
- 診療医療機関の業務負担軽減
- 患者の通院負担軽減
- 医療費の抑制
- 長期処方における薬剤師の管理・指導が可能
- 残薬のリスクが軽減
- 医師・薬剤師の連携が強化
- かかりつけ薬剤師・薬局の普及
- 患者の「受診による新型コロナ感染リスク軽減」の希望に添うことが可能
再診の手間が省けるため、医療機関への往復や診察を受けるための時間的負担を大幅に軽減できます。医療費や交通費の経済的負担も削減できますし、近所に対応できる調剤薬局さえあれば、病状が安定している高齢者や体の不自由な患者さまにとっては、大きなメリットがあると考えられます。
その他にも待合室などの人数が多いところに行く回数が減るのでコロナウィルス感染のリスクを減らす事ができる。
リフィル処方箋のデメリット
- 薬剤師・薬局の業務負担増加
- 医薬連携が十分とは言えない中で、薬剤師の医療責任が増加
- 受診回数の減少による医療機関の減収(特に外来比率が高いクリニック等)
- 病状の悪化が見過ごされる可能性があり、医療事故のリスクが上昇
- 医師・患者関係の希薄化
- 長期処方と比較して優位性が乏しい
医師と薬剤師のダブルチェックがなくなり、薬剤師のみのチェックになるため、医療事故につながる可能性がある。
医師による経過観察の機会が減ることで、病状の変化を把握しにくくなるリスクもあり、病状の見落としによる健康被害や病状の悪化も考えられる。
また、医師と患者様が対面する機会が減るのでお互いに誤解が生まれる可能性がある。その代わりに薬剤師が患者様の経過を観察する必要があり、薬剤師が担う負担と医療責任リスクは大きくなる。
まとめ
- 再診で症状が安定している方が対象になる。
- リフィル処方箋も有効期間がある。
- リフィル処方箋の総使用回数の上限は3回まで。
- 医学的に適切と判断した期間と薬剤量を医師がきめる。
- 投薬量に限度が定められている医薬品(新薬、向精神薬、麻酔など)及び湿布薬には適用ができない。
- 調剤薬局にてリフィル処方箋による調剤が不適切だと判断した場合は調剤は行われない。 また患者への受診推奨と処方医師への速やかな情報共有を行うこととされている。